とある商業サイトのキーボードの紹介記事に、「ステップ・スカルプチャーを採用」といった記述があった。
今どきスカルプチャーなんて貴重じゃんってウキウキしながら写真を見てみると、キートップの文字はどう見てもプリント。
「それじゃスカルプチャーじゃないじゃん。ダメねぇ、このライターと編集」って思ったわたし。
でも、記事にする前にググってみたら……
キートップが階段状に並んでいるとステップ・スカルプチャー。
円筒状ならシリンドリカル・スカルプチャー。
階段状かつ円筒状なら、シリンドリカル・ステップ・スカルプチャー。
……ってな具合。
みんな、「スカルプチャー」をキートップ群で形成される形状の名前と勘違いしてない?
Wikipediaに当たってみると、日本語版にはキーボードの項目にステップ・スカルプチャーなどの説明があるけど、英語版にはsculptureの語は出てこない。
あとね、ググってみても、日本人が絡んでないと、step sculptureって表現は出てこないのよね。
和製英語かも。
そもそも、スカルプチャーって、sculpture=彫刻でしょ。
キーボードでスカルプチャーって言ったら、キートップの文字が彫刻されているもの(または、彫刻したかのように凸凹しているもの)のことを指すはずなんだけど。
sculptureでググってみると、step sculptureをのぞけば、キーボード関連では、キートップの文字がprintされているかどうかとか、そういった記述で出てくるわよ。
どうやら、日本の業界ぐるみで勘違いして、そのまま定着しそうになってるっぽいわね。
【ステップスカルプチャー】
人間工学的にキーを押しやすいように工夫されたキーボードの形状。パソコン用キーボードの多くがこの形状を採用している。
ステップとは、キー列に段差を付けて感触で指の位置が分かるようにしたことを指す。またスカルプチャーとは、操作しやすいようにキーボードの段ごとにキートップ(キーの上面)の傾斜を変えた設計方式のこと。
というわけで、和製英語という言い方も可能ですが、“日本における、そういう業界用語”ってことでいいんじゃないですかねえ。だったらアルファベット表記をするな、とか言い出したら収拾付かないような気もします。
そういえば、日本で「ブロマイド」っていうと有名人の生写真、で100%通じますが(ちょっと古いけど)これって確かドイツ語でフィルム現像するときに使う薬品の名前を聞きかじった人が、写真のことだと勘違いして定着したそうですし。そういう勘違い用語でも、社会で一般的に通じるなら目くじら立てるほどのことでもないと思いますよー。
Posted by: Cさん : 2007年06月23日 01:51 Cさん、コメントをありがとうございます。
わたしがステップ・スカルプチャーのことを知った原稿/記事では、ちゃんとキートップの文字って言っていたんですよ〜。
国内で伝達される段階で抜け落ちたんじゃないのかなぁ。
もっとも少数のミスならここまで影響しないでしょうから、スカルプチャーなんてコストダウンの際に邪魔だってんで、意図的な言い換えがなされたっていうのは考えすぎかしら。
自戒ですけど、経緯はともかく、曲がりなりにも書く立場としては、もっと単語にも気をつけたいものです。
蛇足ですが、「プラスアルファ」も日本人の勘違いですねぇ。
筆記体で書かれたエックスをアルファと見間違えたのがそのまま定着したんだって言われてますけど。
"Tomorrow Plus X"っていうタイトルのSFの邦題「明日プラスX」は二重に悩ましいです。
スカルプっていうとなのはネイルアートの方を思い浮かべてしまうわぁ^^
やったことないんだけどw
うんうん。
最近だったらネイルよね^−^